はじめに
近年、ミュージアムの運営において、会員制度の重要性がますます高まっています。入場料収入だけに頼る従来の運営モデルから、安定した収益基盤を確保し、訪問者との継続的な関係を構築するために、会員制度が不可欠な戦略となっています。特に、リピーターの増加、寄付の促進、ブランドロイヤルティの向上といった側面で、会員制度はミュージアムの成功を左右する重要な要素です。
しかし、単に会員制度を導入するだけでは十分ではありません。現代の来館者は、単なる割引や特典だけでなく、ミュージアムとの深いつながりや特別な体験を求めています。そのため、どのように魅力的な会員プログラムを設計し、会員の満足度を高め、長期的な関係を築いていくかが課題となります。
本記事では、ミュージアムの会員制度の進化を振り返りながら、成功するための具体的な要因や、現在直面している課題について詳しく解説します。また、効果的なマーケティング戦略についても取り上げ、どのようにすればより多くの人々を魅了し、持続可能な会員制度を構築できるのかを考察していきます。
ミュージアムの会員制度の進化
伝統的に「友の会」として始まったミュージアムの会員制度は、かつては文化施設を支援するボランティアや寄付者の集まりとしての側面が強く、主に特定の愛好家や支援者に向けたものでした (Hayes & Slater, 2003)1。しかし、時代の変化とともに、ミュージアムの運営戦略も大きく変わり、会員制度は単なる支援者のネットワークから、来館者との持続可能な関係を築くためのマーケティングツールへと進化を遂げました。
今日では、多くのミュージアムが会員制度を活用し、訪問者との関係を強化するための多様なプログラムを展開しています。例えば、特典としての無料入場や限定イベントの提供に加え、会員限定の教育プログラムや特別展示の先行予約など、特別感を演出する仕組みが導入されています。こうした施策は、会員に対してミュージアムとのつながりをより強く意識させ、単なる一回限りの訪問者ではなく、長期的な支持者へと変化させる効果を持ちます (Reavey et al., 2012)2。
さらに、近年ではデジタル技術の発展により、オンライン会員制度も登場し、バーチャルイベントやデジタルコンテンツへのアクセスなど、従来の物理的な特典にとどまらない多様な価値を提供するようになっています。このような進化により、ミュージアムはより広範な層の来館者と長期的な関係を築き、収益の安定化を図ると同時に、文化的な役割をより広く社会に発信することが可能となっています。
会員制度がもたらす多面的な価値
収益の安定化
ミュージアムは入場料収入だけに依存せず、会員制度を通じて安定した資金を確保できます。特に、公共補助金の減少に直面する多くの文化施設にとって、会員制度は重要な財源となっています (Ebbers et al., 2021)3。ミュージアムの財政的持続可能性を確保するためには、入場料や寄付だけではなく、長期的な会員制度の収益が大きな役割を果たします。会員が増えることで、安定した収益が見込めるだけでなく、特別イベントの開催や新たな展示プロジェクトの実現が可能になります。また、会員制度は非営利組織の財政的安定性を向上させる要因としても注目されており、博物館の運営に柔軟性をもたらし、より魅力的なプログラムを展開するための資源を提供します (Paswan & Troy, 2004)4。
ロイヤルティの向上
会員制度は来館者のリピート率を高め、寄付の増加や口コミによる新規来館者の獲得につながります (An & Butler, 2017)5。定期的な訪問を促すために、会員限定のプログラムやイベントを設けることで、来館者はミュージアムとの強い結びつきを感じるようになります。また、特典の充実によって、会員はより高い満足感を得ることができ、結果としてミュージアムへの継続的な支持を促進します。特に、ファインアート系ミュージアムでは、会員制度が訪問者の忠誠度向上に大きく貢献し、年間パスの利用者は一般訪問者よりも頻繁に来館する傾向が見られます (Camarero & Garrido, 2011)6。このように、ミュージアムと来館者のつながりを強化することで、単なる一度きりの訪問にとどまらず、長期的な文化支援者へと発展させることができます。
ソーシャル・ステータスの向上
会員制度にはステータスを感じさせる要素もあり、高レベルの会員ほど博物館の名声を活用し、推薦行動が増える傾向にあります (Ebbers et al., 2021)7。特に、VIP会員や上級会員向けの特別プログラムは、限定されたイベントやネットワーキングの機会を提供し、社会的ステータスを求める層にとって魅力的な要素となります。また、会員は博物館の価値観とアイデンティティを共有しやすくなるため、ミュージアムへの関与が深まるとされています (Camarero & Garrido, 2011)8。特に、文化的なコミュニティの一員であることを誇りに思う人々にとって、会員制度は単なる経済的なメリットだけでなく、社会的なアイデンティティの一部として機能します。そのため、会員同士のネットワーキングイベントやミュージアム主催の特別な文化体験を通じて、より強固な結びつきを生み出すことが重要です。
会員制度の成功要因と失敗事例
成功する会員制度の特徴
成功するミュージアムの会員制度には、いくつかの共通する要素があります。まず、魅力的な特典の提供が欠かせません。無料入場や会員限定イベント、ミュージアムショップの割引、特別展示への優先アクセスなど、会員が得られるメリットを明確にし、価値を感じてもらうことが重要です (Slater, 2003)9。また、単なる金銭的特典だけではなく、特別な体験を提供することで、会員にとってのミュージアムの存在価値を高めることができます。例えば、会員限定のナイトツアーや、キュレーターとの対話型イベントなどは、特別感を演出し、会員のロイヤルティ向上につながります。
さらに、長期的な関係構築も成功の鍵となります。会員にボランティア活動の機会を提供することで、ミュージアムとの結びつきを強めることができます。また、特別なプログラムや個別のサービスを用意し、会員が自身の関心やニーズに応じて関与できる仕組みを整えることで、持続的な関係を築くことが可能となります (Slater, 2003)10。このような取り組みは、単なる特典の提供を超えて、会員がミュージアムの一員としての自覚を持ち、積極的に活動に参加する動機付けを行うものとなります。
会員制度の課題
一方で、会員制度にはいくつかの課題も存在します。まず、高額な会費が新規会員の獲得を阻害する可能性があります (Ebbers et al., 2021)11。特に、若年層や低所得層にとっては、会員制度の利用価値が高くても、費用の負担が大きな障壁となることがあります。そのため、会員制度の価格設定には柔軟性を持たせ、月額プランやファミリープラン、学生向けの割引プランなど、多様なニーズに対応できるオプションを提供することが求められます。
また、高位会員層が新規会員を勧誘しない傾向も課題の一つです (Ebbers et al., 2021)12。特に、上級会員制度がステータス維持の要素を含む場合、新規会員が増えることで特権の希少性が失われると感じる可能性があります。このような問題を解決するためには、高位会員向けの独自特典を定期的に見直し、新規会員と既存会員の両方にとって魅力的な制度設計を行うことが重要です。
さらに、会員制度の導入初期において、会員の関与が低いと、継続会員にならずに関係が停滞してしまう「stalled relationship」の問題も指摘されています (Reavey et al., 2012)13。これは、会員になったものの、特典を十分に活用しなかったり、ミュージアムとのつながりを感じられなかったりすることで、次年度の更新を行わずに離脱してしまう現象を指します。この問題を防ぐためには、会員が積極的に特典を利用し、ミュージアムとの関係を深められるようなエンゲージメント施策を設計することが重要です。例えば、会員登録後のウェルカムイベントの開催や、定期的なニュースレターの配信、会員専用オンラインコミュニティの運営などを通じて、会員の関与度を高める工夫が求められます。
このように、ミュージアムの会員制度には多くのメリットがある一方で、適切な設計と運用が求められます。成功するためには、会員のニーズを的確に捉え、長期的な関係構築を意識した戦略を実行することが不可欠です。
会員のモチベーションと維持のための戦略
会員が入会する主な理由
ミュージアムの会員が入会を決める理由はさまざまですが、大きく分けて以下の3つの要因が挙げられます。
- フィランソロピー(文化支援への貢献意識) (Paswan & Troy, 2004)14。 多くの会員は、ミュージアムの活動を支援し、その文化的使命を推進することに喜びを感じています。特に、歴史的または芸術的価値の高い施設に対する支援意識が高い層では、寄付型会員制度が重要な役割を果たします。これらの会員は、文化遺産を次世代に残すことを目的に積極的に寄付を行い、ミュージアムの発展に貢献しています。
- 特典やサービスの魅力 (Slater, 2003)15。 無料入場、割引、会員限定イベント、バックステージツアーなどの特典は、会員制度の大きな魅力となります。特に、特別展への早期アクセスや、キュレーターとの対話イベントなどの「体験型特典」は、より多くの来館者にとって価値のあるものとなります。近年では、バーチャルツアーやオンライン講座などのデジタル特典も増加しており、遠方に住む人々にとっても会員制度が魅力的なものとなっています。
- 文化的関心や知識欲 (Paswan & Troy, 2004)16。 学ぶことや文化体験を求める来館者にとって、会員制度は継続的な知的刺激を提供するものとなります。ミュージアムが提供するワークショップや講演会、専門家による解説付きツアーなどが、会員の満足度を高める要素となります。また、特定のテーマに関するリサーチ支援や、学術的なコンテンツへの優先アクセスを提供することで、研究者や愛好家層の関心を引くこともできます。
退会を防ぐためのアプローチ
ミュージアムの会員制度を成功させるためには、新規会員を獲得するだけでなく、退会を防ぎ、長期的に関与してもらうことが重要です。以下のアプローチにより、会員の満足度を維持し、継続的な関係を築くことができます。
- サービス品質の向上(展示内容の充実、会員向けイベントの増加) (An & Butler, 2017)17。 会員がミュージアムを訪れる頻度を高めるためには、常に新しい展示や魅力的なコンテンツを提供することが重要です。特に、定期的なリニューアルや会員限定プレビューイベントの開催は、会員の関心を維持するのに有効です。また、展示の質を向上させることで、ミュージアムそのものの評価を高めることができます。
- 定期的な交流の機会を提供(会員限定ツアー、ワークショップ) (Slater, 2003)18。 会員同士の交流を促進することで、ミュージアムとの結びつきを深めることができます。例えば、会員向けのアートワークショップ、特別講演、館内ツアーなどを開催し、会員が積極的に関与できる機会を増やすことが有効です。また、会員専用のオンラインフォーラムやSNSグループを運営し、デジタルコミュニケーションを強化するのも効果的です。
- シニア層向け割引や家族向け特典の強化 (An & Butler, 2017)19。 シニア層にとっては、健康的で学びのあるイベントが魅力的です。特に、美術館でのヨガクラスや歴史散策ツアーなどは、シニア層の関心を引きつけるのに適しています。一方、ファミリー向けには、子ども向けのワークショップや親子で楽しめる体験型展示を提供することで、家族全体のロイヤルティを高めることができます。
- ミュージアムの価値とビジョンを明確に伝えることで、会員のアイデンティフィケーションを強化(Camarero & Garrido, 2011)20。 会員がミュージアムの理念に共感し、その一員であることを誇りに思うことが、長期的な関与を促します。ミュージアムのミッションや活動の意義を伝えるニュースレターを定期的に配信することで、会員に「自分がこのミュージアムを支えている」という実感を持ってもらうことが重要です。また、会員の声を反映させた展示企画や、ボランティア活動への参加機会を設けることで、会員の主体性を高めることができます。
これらの施策を適切に組み合わせることで、会員のモチベーションを維持し、長期的な関係を構築することが可能となります。
ミュージアム会員制度のマーケティング戦略
デジタルマーケティングの活用
近年、デジタル技術の発展により、ミュージアムのマーケティング戦略にも大きな変化が見られます。SNSやメールマガジンを活用した情報発信は、会員との継続的なコミュニケーションを可能にし、新規会員の獲得や既存会員の維持に寄与します (An & Butler, 2017)21。
特に、SNSの活用は、ミュージアムの認知度を向上させるだけでなく、会員との対話を生み出し、ロイヤルティを高める要素となります。例えば、会員限定のライブ配信イベントや、バーチャルギャラリーの公開など、オンラインでの独自の体験を提供することができます。また、定期的なメールマガジンでは、会員向けの特典情報やイベントの案内を行い、関心を引き続けることが重要です。
さらに、デジタル会員カードの導入により、来館時の利便性を向上させるとともに、会員のデータを収集・分析し、よりパーソナライズされたサービスの提供を実現することも可能になります。
ターゲット層ごとのアプローチ
ミュージアムの会員制度を成功させるためには、ターゲット層ごとの適切なアプローチが欠かせません。
- シニア層: 文化的なイベントや健康志向のプログラムを提供することで、シニア層の関心を引きつけることができます (Hsieh et al., 2018)22。例えば、美術館でのヨガクラス、歴史講座、ガイド付きツアーなど、シニア層に特化したアクティビティを展開することで、リピーターを増やすことが可能です。
- 若年層: 体験型ワークショップやSNSキャンペーンを活用し、ミュージアムに対する興味を喚起することが重要です (Hsieh et al., 2018)23。特に、インスタグラムやTikTokといったプラットフォームを活用し、ユーザーがミュージアムでの体験を共有できる仕組みを作ることで、新たなファン層を獲得できます。また、学生向けの割引制度や、学びを促進するインターンシッププログラムを導入することも有効です。
口コミと紹介制度の活用
口コミは、会員制度の拡大において非常に強力な手段となります。満足度の高い会員が周囲の人々にミュージアムを推薦することで、新規会員の獲得につながります。
- 既存会員への紹介特典: 既存会員が新規会員を紹介すると、特典を付与する制度を設けることで、口コミを促進することができます (Ebbers et al., 2021)24。例えば、紹介した人とされた人の双方に、カフェの無料クーポンや限定イベントの招待状を提供することで、会員間のつながりを強化できます。
- ネットワーク効果の活用: 会員同士の交流イベントを定期的に開催し、ネットワークを構築することで、自然な形でミュージアムの魅力を伝えてもらうことが可能です (Camarero & Garrido, 2011)25。特に、限定ツアーや、著名なアーティストとの対話イベントなどは、会員にとって大きな魅力となり、満足度の向上にもつながります。
このように、デジタルマーケティングを駆使しながら、ターゲット層ごとの戦略を練り、口コミや紹介制度を活用することで、ミュージアムの会員制度をより効果的に運営することができます。
まとめ
ミュージアムの会員制度は、収益の安定化、来館者のロイヤルティ向上、ブランド価値の向上など、さまざまなメリットをもたらします。安定した会員基盤が確立されることで、単発的な入場料収入に依存するリスクが軽減され、施設の長期的な運営が可能になります。特に、政府からの助成金が減少傾向にある現代においては、ミュージアムの独立した財政基盤を強化する手段として会員制度がますます重要視されています。
また、会員制度は単なる資金調達の手段にとどまらず、来館者のエンゲージメントを高め、コミュニティの形成を促進する役割も担っています。会員が特別なイベントに招待されたり、展示の裏側を体験できるプログラムに参加できたりすることで、単なる訪問者から文化支援者へと変わるきっかけとなります。これにより、会員自身がミュージアムの価値を理解し、他者に推薦する可能性も高まります。
しかし、その成功には、適切な特典の設定、会員のモチベーション維持、効果的なマーケティング戦略が不可欠です。例えば、定期的な会員向けニュースレターの発行、SNSを活用した情報提供、限定イベントの開催など、会員との継続的な関係を構築する工夫が求められます。特に、ミュージアムごとの特色を活かし、ターゲット層に応じた魅力的な会員プログラムを設計することが、長期的な会員維持につながるでしょう。今後も、デジタル技術を活用した新しい会員制度の展開や、よりパーソナライズされたサービスの提供を通じて、より多くの来館者と持続可能な関係を築くことが期待されます。
参考文献
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- Reavey, Brooke, Michael J. Howley Jr., and Daniel Korschun. “An Exploratory Study of Stalled Relationships Among Art Museum Members.” International Journal of Nonprofit and Voluntary Sector Marketing, vol. 18, no. 2, 2013, pp. 90–100.https://doi.org/10.1002/nvsm.1449 ↩︎
- Ebbers, Joris J., et al. “Relationship Value Benefits of Membership Programs, Heterogeneous Stakeholders and Museum Impact beyond Fees.” European Management Review, 2021.https://doi.org/10.1111/emre.12465 ↩︎
- Paswan, Audhesh K., and Lisa C. Troy. “Non-Profit Organization and Membership Motivation.” Journal of Marketing Theory and Practice, 2004.https://doi.org/10.1080/10696679.2004.11658515 ↩︎
- An, Lam B., and Frank C. Butler. “An Analysis of Factors Influencing Membership Retention at a Children’s Museum.” Journal of Nonprofit & Public Sector Marketing, 2017.https://doi.org/10.1080/10495142.2017.1326350 ↩︎
- Camarero, Carmen, and Ma José Garrido. “Incentives, Organisational Identification, and Relationship Quality among Members of Fine Arts Museums.” Journal of Service Management, 2011.https://doi.org/10.1108/09564231111124253 ↩︎
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- Slater, Alix. “Users or Supporters? Understanding Motivations and Behaviors of Museum Members.” Curator: The Museum Journal, 2003. https://doi.org/10.1111/j.2151-6952.2003.tb00086.x ↩︎
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- Ebbers, Joris J., et al. “Relationship Value Benefits of Membership Programs, Heterogeneous Stakeholders and Museum Impact beyond Fees.” European Management Review, 2021.https://doi.org/10.1111/emre.12465 ↩︎
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- Paswan, Audhesh K., and Lisa C. Troy. “Non-Profit Organization and Membership Motivation: An Exploration in the Museum Industry.” Journal of Marketing Theory and Practice, vol. 12, no. 2, 2004, pp. 1–15.https://doi.org/10.1080/10696679.2004.11658515 ↩︎
- Slater, Alix. “Users or Supporters? Understanding Motivations and Behaviors of Museum Members.” Curator: The Museum Journal, 2003. https://doi.org/10.1111/j.2151-6952.2003.tb00086.x ↩︎
- Paswan, Audhesh K., and Lisa C. Troy. “Non-Profit Organization and Membership Motivation: An Exploration in the Museum Industry.” Journal of Marketing Theory and Practice, vol. 12, no. 2, 2004, pp. 1–15.https://doi.org/10.1080/10696679.2004.11658515 ↩︎
- An, Lam B., and Frank C. Butler. “An Analysis of Factors Influencing Membership Retention at a Children’s Museum.” Journal of Nonprofit & Public Sector Marketing, 2017.https://doi.org/10.1080/10495142.2017.1326350 ↩︎
- Slater, Alix. “Users or Supporters? Understanding Motivations and Behaviors of Museum Members.” Curator: The Museum Journal, 2003. https://doi.org/10.1111/j.2151-6952.2003.tb00086.x ↩︎
- An, Lam B., and Frank C. Butler. “An Analysis of Factors Influencing Membership Retention at a Children’s Museum.” Journal of Nonprofit & Public Sector Marketing, 2017.https://doi.org/10.1080/10495142.2017.1326350 ↩︎
- Camarero, Carmen, and Ma José Garrido. “Incentives, Organisational Identification, and Relationship Quality among Members of Fine Arts Museums.” Journal of Service Management, 2011.https://doi.org/10.1108/09564231111124253 ↩︎
- An, Lam B., and Frank C. Butler. “An Analysis of Factors Influencing Membership Retention at a Children’s Museum.” Journal of Nonprofit & Public Sector Marketing, 2017.https://doi.org/10.1080/10495142.2017.1326350 ↩︎
- Hsieh, Chi-Ming, Tang-Ping Chen, Chi-Jen Hsieh, and Bi-Kun Tsai. “Moderating Effect of Membership Status on the Quality-Value-Loyalty Chain at Museums.” Social Behavior and Personality: An International Journal, vol. 46, no. 1, 2018, pp. 107–126.https://doi.org/10.2224/sbp.4073 ↩︎
- Hsieh, Chi-Ming, Tang-Ping Chen, Chi-Jen Hsieh, and Bi-Kun Tsai. “Moderating Effect of Membership Status on the Quality-Value-Loyalty Chain at Museums.” Social Behavior and Personality: An International Journal, vol. 46, no. 1, 2018, pp. 107–126.https://doi.org/10.2224/sbp.4073 ↩︎
- Ebbers, Joris J., et al. “Relationship Value Benefits of Membership Programs, Heterogeneous Stakeholders and Museum Impact beyond Fees.” European Management Review, 2021.https://doi.org/10.1111/emre.12465 ↩︎
- Camarero, Carmen, and Ma José Garrido. “Incentives, Organisational Identification, and Relationship Quality among Members of Fine Arts Museums.” Journal of Service Management, 2011.https://doi.org/10.1108/09564231111124253 ↩︎