ミュージアムのガバナンスとは何か?〜「信頼」と「透明性」を支える仕組みを考える〜

目次

はじめに

ミュージアムは、単に文化財を収蔵・展示するだけの空間ではありません。そこは、過去と現在、そして未来を結ぶ時間軸の交差点であり、人々の知識、価値観、感性が交わる「公共の学びと対話の場」として機能しています。歴史資料や芸術作品、自然標本などの物的遺産はもちろんのこと、それらをどう解釈し、どのような文脈で社会とつなぐのかという「知の営み」そのものが、ミュージアムの本質を形づくっています。

しかし、そのようなミュージアムの価値や存在意義を継続的に発揮するためには、背後にある運営体制――すなわち「ガバナンス(governance)」の質が非常に重要です。展示や教育プログラムといった目に見える成果の裏側には、誰がどのような権限を持ち、どのように意思決定を行い、社会に対してどのような説明責任を果たしているのかという、「見えにくい仕組み」が存在しています。ガバナンスは、まさにミュージアムという組織が健全かつ持続可能に機能するための根幹であり、「信頼」と「透明性」の基盤でもあるのです。

現在、世界のミュージアムを取り巻く状況は急速に変化しています。財政的な自立が求められるなかでのファンドレイジング、専門職の多様化、市民との新たな関係構築、さらには社会正義や文化的多様性に対する応答など、ミュージアムにはこれまで以上に高度な社会的責任が課されています。こうした状況のなかで、従来のトップダウン型の管理モデルだけでは立ち行かなくなっており、ガバナンスの再構築が不可欠なテーマとなっています。

本稿では、「ミュージアムのガバナンスとは何か?」という問いを出発点に、基本的な概念から多様なガバナンスモデル、そして近年注目されている参加型ガバナンスやコラボレーティブ・マネジメントの潮流までを、国内外の最新研究を参照しながらわかりやすく解説します。ガバナンスは一見すると抽象的で難解なテーマに見えるかもしれませんが、それを読み解くことは、ミュージアムの未来像を描くことにも直結します。

ガバナンスとは何か?

「ガバナンス(governance)」とは、組織がどのように意思決定を行い、どのような手段でその決定を実行し、さらにそれに対してどのように説明責任を果たすのかという、一連の仕組みや構造を指す概念です。言い換えれば、組織が「何を目的として」「誰が」「どのように」方向性を定め、社会にどのような責任を持ってそれを推進していくか――その枠組み全体がガバナンスにほかなりません。

この「ガバナンス」という言葉はもともと政治学や行政学の分野で用いられてきましたが、1990年代以降は企業経営や非営利組織の運営、さらには教育・医療・文化など幅広い領域においても応用されるようになってきました。今日では、公共セクターだけでなく、民間・市民社会も巻き込んだ「協働の統治(collaborative governance)」という視点から再定義される場面も増えてきています。

ミュージアムのような公共性の高い文化施設においても、ガバナンスはきわめて重要な概念です。なぜなら、ミュージアムは単なる展示施設ではなく、社会に対して教育的・文化的・象徴的な影響力を持つ存在であり、その運営は単なる効率性だけでなく、公益性や説明責任(accountability)、倫理性といった要素と密接に関係しているからです。

では、ミュージアムにおけるガバナンスとは、具体的に何を意味するのでしょうか。

それは、「誰が」「どのように」「何のために」その組織の方針を決定し、実行していくのかというプロセス全体を指します。たとえば、国立博物館であれば、文化庁や国会の政策決定が影響を及ぼしますし、私立の美術館であれば、理事会や創設者、あるいは資金提供者の意向が大きく関わってくるかもしれません。また、館長や学芸員が果たす専門的判断、来館者や地域住民からの意見、さらにはスポンサーやメディアといった外部ステークホルダーとの関係性も、意思決定のプロセスに複雑に絡み合っていきます。

このような状況の中で、誰が最終的な決定権を持ち、その決定に対して誰が責任を負うのかを明確にし、関係者全体が共通の方向性を持って組織を導いていく――そのための制度的・倫理的基盤こそがガバナンスの中核であるといえます。

文化政策の専門家であるBarry Lordは、ミュージアムのガバナンスを「人類の遺産を未来世代に引き継ぐための信託(trusteeship)」と捉えています。彼は、ミュージアムの運営に関わる理事や管理者には、ふたつの倫理的責任――忠誠心(duty of loyalty)と注意義務(duty of care)――が求められると述べています(Lord, 2015)1

「忠誠心」とは、ミュージアムに関わる人々が、自己の利益や外部の圧力よりも、まずミュージアムの使命や公共性を優先するという姿勢のことです。「注意義務」とは、たとえば文化財の保存、展示の適切な文脈設定、資金の健全な運用、そして来館者に対する安全性の確保など、日々の活動すべてにおいて誠実かつ慎重に行動する責任を意味します。

このように、ミュージアムのガバナンスとは単なる運営管理の手法ではなく、むしろ人類共通の遺産を未来へと託すための倫理的で制度的な「信託行為」に近いものです。ガバナンスがしっかりと構築されているミュージアムほど、外部からの信頼を獲得し、持続可能な発展が可能になります。

したがって、ミュージアムの現場で働く者だけでなく、政策立案者、支援者、さらには文化施設に関心を寄せる一般市民にとっても、「ガバナンス」という視点は、ミュージアムがどのように社会の中で役割を果たしているのかを理解するための、重要な鍵となるのです。

ミュージアムのガバナンスモデル

ミュージアムは、地域社会や国家の文化を担う重要な機関ですが、その成り立ちや運営体制は国や時代、設立母体によって大きく異なります。言い換えれば、どのようなガバナンスのもとで運営されているかによって、ミュージアムの性格や機能、さらには社会における役割も変わってくるのです。

Barry LordとGail Dexter Lordは、その著書『The Manual of Museum Management』の中で、世界のミュージアムに見られる主なガバナンスモデルを大きく4つに分類しています(Lord & Lord, 2009)2。ここでは、それぞれのモデルの特徴や利点、課題を整理しながら、ミュージアムがどのような制度的枠組みのもとで運営されているのかについて理解を深めていきましょう。

官庁直属型(Line Departments)

このモデルは、ミュージアムが国家や地方自治体の文化行政の一部門として直接的に管理・運営されている形態です。多くの公立美術館などがこの形態に該当します。

このモデルの利点は、安定した財源と制度に支えられた長期的視野に基づく運営が可能である点です。特に文化財の保存や研究といった公益性の高い活動には向いています。一方で、政策変更や人事異動など行政的な制約も大きく、柔軟な意思決定が困難になるという課題も指摘されています。

準独立型(Arm’s-Length Bodies)

このモデルは、政府とは一定の距離を保ちながらも、財政的支援や監督関係が続いているガバナンス形態です。たとえば、独立行政法人(日本)や公設民営型の公益法人(ヨーロッパ諸国に多い)などが該当します。政府はミュージアムの活動に直接介入せず、設置された理事会や監査委員会が運営を担います。

このような「腕の長さの関係(arm’s-length)」は、政治的中立性や専門性の保持に適しており、学芸活動や展示企画の自由度が比較的高いことが利点です。また、財務監査や評価制度を通じて説明責任も強化されやすい構造となっています。

一方で、外見上の独立性があっても実質的には政府依存が強くなることが多く、真の自治や透明性の確保には努力が必要です。日本では、独立行政法人国立美術館などがこの形態にあたります。

独立非営利型(Independent Not-for-Profit)

このモデルは、理事会(board of trustees)を中心とした非営利法人によって自主的に運営される形式で、特にアメリカのミュージアムで広く見られます。設立者や寄附者の意志に基づき、民間の資金で成り立つミュージアムは、公共機関では実現しにくい独自のビジョンや活動を追求することが可能です。

この形式では、理事会の構成や寄附文化の成熟度が運営の持続性に大きく影響します。Betzler(2013)の研究によれば、理事会に財界人や寄附者、文化人など多様なメンバーを配置することで、資金調達と事業の柔軟性が大きく向上することが示されています(Betzler, 2013)3

一方で、財政基盤が不安定になりやすく、常に外部資金を確保するプレッシャーがかかる点や、理事会の意向が過度に運営に影響を与えるリスクもあります。

民間所有型(Private Ownership)

最後に紹介するのが、営利企業や個人によって所有され、収益を主たる目的として運営される私設ミュージアムです。このタイプは、特に企業のブランディングやマーケティングの一環として設立される「コーポレート・ミュージアム(企業博物館)」に多く見られます。たとえば、自動車メーカーや化粧品会社、玩具メーカーなどが所有する施設が該当します。

このモデルのメリットは、資金力や意思決定の迅速さにあります。テーマ設定や展示企画も自由度が高く、観光施設としての側面が強いことも特徴です。ただし、公共的使命の定義が曖昧になりがちで、UNESCOや多くの国際機関では「ミュージアム」としての認定を受けない場合もあります。


これら4つのガバナンスモデルは、必ずしも排他的なものではなく、実際のミュージアムの多くは複数の要素を組み合わせて独自の形態をとっています。また、同じモデルであっても、文化政策、社会的期待、資金環境、地域性といった多様な要因によって運営の実態は異なります。

たとえば、日本の私立ミュージアムの多くは非営利法人として設立されていますが、その運営資金の大部分を自治体の補助金に依存しており、実質的には「準独立型」と「独立非営利型」の中間のような形態をとっています。こうしたハイブリッド型の存在も、現代のミュージアム・ガバナンスを考えるうえで注目すべき現象です。

ミュージアムのガバナンスモデルを分類・理解することは、各館の特性や課題、さらには社会との関係性を読み解くための重要な手がかりとなります。そして何よりも、私たちがミュージアムを「誰のものとして考えるのか」という問いに直結する、きわめて実践的な視点であるといえるでしょう。

ガバナンスの現代的課題

ミュージアムを取り巻く社会的・経済的環境はこの数十年で大きく変化してきました。来館者数や収益の増加が求められる一方で、従来の使命である文化財の保存・研究・普及といった公共的機能も引き続き果たさなければなりません。こうしたなかで、ガバナンスの在り方は新たな課題に直面しています。本節では、現代のミュージアムにおける代表的な課題を三つの観点から詳しく掘り下げていきます。


制度と実践のあいだで:現場との乖離と非対称性

オーストラリアの博物館研究者であるDes Griffinは、ガバナンス構造の中でしばしば発生する「権限」と「知識」のギャップに注目しています。政府、理事会、現場の専門職員――この三者が協働してミュージアムを運営する仕組みは、理論上はバランスが取れているように見えるかもしれません。しかし実際には、それぞれの立場が持つ情報や判断基準の違いから、摩擦や対立が生じやすいことがあります(Griffin, 1991)4

たとえば、理事会が財務や経営の視点から迅速な決定を下そうとする一方で、学芸員は専門的調査や保存方針に時間と検証を要する場面もあります。また、政府が財政や政策の都合で制度改編を推し進める際に、現場がそれに対応しきれず、運営に混乱をきたすこともあります。このように、ガバナンス構造が「管理する側」と「実行する側」の連携不足や、立場間の情報の非対称性によって機能不全に陥ることは少なくありません。

Griffinはこのような状況を、「木の下にたくさんのリンゴが落ちているのに、なぜそれが木と結びつかないのか?」という比喩で語り、問題の本質は“距離”ではなく“接続”の失敗にあると述べています。つまり、制度と現場をつなぐインターフェイスをいかに設計するかが、現代のガバナンスにおける重要な鍵となっているのです。

効率性と文化的使命のジレンマ:NPMの光と影

1990年代以降、ヨーロッパを中心に多くの公共機関が「新公共経営(New Public Management)」の理念を導入し、ミュージアムも例外ではありませんでした。HallgrímsdóttirとKristmundssonによるアイスランド国立博物館の研究では、制度改革を通じて業績指標やアウトカムの重視が進められ、ミュージアムも「成果を出す組織」としての運営を求められるようになったことが示されています(Hallgrímsdóttir & Kristmundsson, 2020)5

たとえば、来館者数や収益性、展覧会の話題性といった“数値で測れる指標”が優先される一方で、学術研究や文化財の保存といった“評価が難しいが本質的に重要な活動”が軽視される傾向も見られるようになりました。これにより、文化的使命と経営的合理性のバランスに苦慮するミュージアムが増えてきたのです。

さらに、新公共経営の導入は、職員の雇用形態の柔軟化や予算編成の成果主義化などにも波及し、ミュージアム内における労働環境や専門職のあり方にも変化をもたらしました。こうした潮流は、ミュージアムにおけるガバナンスを「文化施設の倫理性」と「公共機関の効率性」という二重の要請のはざまで揺れ動かせています。

NPMは一方で、透明性や説明責任の強化というプラスの側面も持っていますが、それが文化的価値の多層性と衝突する場面も多く、単なる経営手法として導入するだけではなく、ミュージアム固有の文脈に即した調整が不可欠です。

理事会の構成と資金調達:組織の持続性を支える要

近年では、ミュージアムのガバナンスにおいて「理事会(board of trustees)」の構成とその機能がますます重要視されています。特に非営利法人として運営される独立系ミュージアムにおいては、理事会の人的構成が財政的持続性やネットワーク構築、ガバナンスの質そのものに直接的な影響を与えることが明らかになっています。

スイスのミュージアムを対象としたDiana Betzlerの実証研究では、理事会に企業経営者や財団関係者、寄附者などのビジネス的視点を持つ人材が含まれている場合、資金調達(ファンドレイジング)において顕著な成果を上げていることが報告されています(Betzler, 2013)6

一方で、こうした理事構成がミュージアムの方向性に過度な影響を及ぼし、学芸面の独立性や専門性との間に緊張関係を生むリスクもあります。たとえば、収益性の高い展示が優先されすぎることで、研究的価値のあるマイナーな企画が後回しにされるといった問題です。

このように、理事会はミュージアムの経営基盤を支えると同時に、その意思決定がもたらす影響の大きさゆえに、高度なバランス感覚とガバナンス倫理が求められる存在なのです。


このように、現代のミュージアム・ガバナンスは、制度と現場の接続、文化的使命と経営効率の両立、そして財務基盤と専門性のバランスという複雑な問題群の中で舵取りを迫られています。単なる「管理」ではなく、社会的信頼と未来のビジョンを両立させる「文化的意思決定の技術」としてのガバナンスが、今こそ問われているといえるでしょう。

参加型ガバナンスの新潮流

近年、ミュージアムのガバナンスは単なる管理や制度の枠組みにとどまらず、「共創(co-creation)」や「協働(collaborative)」というキーワードのもとで再定義されつつあります。この変化の根底にあるのは、ミュージアムを「市民に開かれた参加型の空間」として捉えるという、新しい公共性の発想です。

従来、ミュージアムのガバナンスは、理事会や行政機関といった特定の担い手によって構成される、いわば「閉じた意思決定の構造」に支えられていました。しかし、文化政策の多様化、ソーシャルメディアの普及、市民社会の成熟などを背景に、来館者や地域住民、ボランティア、NPOなど、より広範なステークホルダーがガバナンスの担い手となるべきだという考え方が浸透してきています。

その象徴的な事例として挙げられるのが、デンマークのROMU(ロスキレ博物館)における実践です。このミュージアムでは、2017年以降、「公共的説明責任(public accountability)」を実現する手段として、展示企画の初期段階から特定の来館者グループを巻き込み、共にテーマ設定や展示内容を検討する「参加型ガバナンス」の試みが行われてきました(Aagaard and Hansen, 2024)7 。

この実践では、単なるアンケート調査にとどまらず、展示の構成に対するコメント、ストーリーテリングへの貢献、さらには展示物の選定への関与など、来館者が「展示の共作者」として実質的な役割を果たすことが強調されています。その結果、展示がより地域性や当事者性に根ざしたものとなり、ミュージアムと市民とのあいだに深い信頼関係が構築されたと報告されています。

もちろん、すべての関係者が同じ理解を共有できるとは限らず、参加の過程で価値観の衝突や時間的コスト、調整の困難さといった課題も生じています。しかし、それらの試行錯誤を通じて、「ミュージアムとは誰のものか?」という根源的な問いに対する答えが、少しずつ実践の中でかたちづくられているのです。

同様の傾向は他国にも見られます。たとえば、スペイン・カナリア諸島に位置するアントニオ・パドロン邸宅美術館では、来館者の満足度とガバナンスの相関関係について実証的な調査が行われました。この研究では、観光客を含む訪問者が、展示や保存活動に対して意見を持ち、それをフィードバックとして反映させることで、ミュージアムの管理モデルがより柔軟かつ開かれたものになる可能性があることが明らかになっています(Moreno-Mendoza et al., 2019)8

とりわけ注目すべきなのは、「保存」と「利用」、あるいは「権威」と「参加」といったこれまで二項対立的に捉えられてきた価値観が、いまや共存可能なものとして再構成されている点です。訪問者の多様な視点が、展示や運営の透明性を高め、ひいては社会的な正統性(legitimacy)を支える基盤として機能しているのです。

参加型ガバナンスは、単に来館者の声を聞くというレベルを超え、「意思決定そのものを共有する」ことを目指すアプローチです。その実現には、制度設計の工夫、専門職と市民の対話の機会、そしてミュージアム自身のマインドセットの変化が不可欠です。これは言い換えれば、ミュージアムが「知の専門家による上意下達の場」から「市民の学びと表現の共同空間」へと移行するプロセスともいえるでしょう。

こうした参加型の潮流は、ガバナンスの民主化という大きなテーマと深く結びついており、文化施設における社会的信頼の再構築、地域との関係性の強化、公共性の再定義に向けた挑戦でもあります。

おわりに

ミュージアムのガバナンスは、単に制度設計や運営管理の問題ではありません。それはむしろ、ミュージアムという社会的装置が、いかにして公共性を担保し、持続可能な未来を築いていけるのかという、より本質的な問いとかかわっています。今日、多くの文化施設が直面しているのは、財政的な困難や政策的制約だけではありません。むしろそれ以上に重要なのは、専門性・効率性・民主性といった複数の価値のあいだで、どのようにバランスを取りながら組織を導いていくかという課題です。

本稿で見てきたように、ミュージアムのガバナンスは多層的であり、国や地域、設立主体、財源構造によってさまざまなモデルが存在します。そしてその運用実態は、しばしば現場の専門職、行政機関、市民、理事会といった多様なアクターのあいだで構築される「関係性の力学」によってかたちづくられています。

今後のミュージアムにとって求められるのは、そうした多様なアクターのあいだで対話と協働の回路をいかにデザインし、信頼にもとづく統治構造を築いていけるかという実践知です。文化施設が市民社会の中でより深く根を下ろしていくためには、「透明性」「説明責任」「包摂性」といったキーワードが、単なる理想論ではなく制度運用の実践として機能していく必要があります。

参加型ガバナンスやコラボレーティブ・マネジメントの動向は、そのような流れを先取りする重要な兆候です。そしてそれは、ミュージアムが「社会のための場」へと進化していくための一歩でもあります。

参考文献

  1. Lord, Barry, and Rina Gerson. “Governance: Guiding the Museum in Trust.” The International Handbooks of Museum Studies (2013): 27-42.https://doi.org/10.1002/9781118829059.wbihms202 ↩︎
  2. Lord, Gail Dexter, and Barry Lord. The Manual of Museum Management. 2nd ed., AltaMira Press, 2009. ↩︎
  3. Betzler, Diana. “Factors of Board Governance and Fundraising Success.” Journal of Cultural Economy, vol. 8, no. 2, 2013, pp. 144–165. Taylor & Francis, https://doi.org/10.1080/17530350.2013.797919. ↩︎
  4. Griffin, Des. “Museums—Governance, Management and Government.” Museum Management and Curatorship, vol. 10, no. 3, 1991, pp. 293–304. Taylor & Francis, https://doi.org/10.1080/09647779109515281. ↩︎
  5. Hallgrímsdóttir, Margrét, and Ómar H. Kristmundsson. “A Museum out of Date? Changes in Organizational Legitimacy – The Case of the National Museum of Iceland 1980–2001.” Museum Management and Curatorship, vol. 35, no. 5, 2020, pp. 527–543. Taylor & Francis, https://doi.org/10.1080/09647775.2020.1845970. ↩︎
  6. Betzler, Diana. “Factors of Board Governance and Fundraising Success.” Journal of Cultural Economy, vol. 8, no. 2, 2013, pp. 144–165. Taylor & Francis, https://doi.org/10.1080/17530350.2013.797919. ↩︎
  7. Aagaard, Peter and Bruun Hansen, Karsten, How Can Museums Use Collaborative Governance in the Creation of Public Accountability?. Available at SSRN: https://ssrn.com/abstract=5081738 or http://dx.doi.org/10.2139/ssrn.5081738 ↩︎
  8. Moreno-Mendoza, Héctor, Agustín Santana-Talavera, and José Boza-Chirino. “Perception of Governance, Value and Satisfaction in Museums from the Point of View of Visitors: Preservation-Use and Management Model.” Journal of Cultural Heritage, 2019, https://doi.org/10.1016/j.culher.2019.06.007. ↩︎
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この記事を書いた人

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日々の業務経験をもとに、ミュージアムの楽しさや魅力を発信しています。このサイトは、博物館関係者や研究者だけでなく、ミュージアムに興味を持つ一般の方々にも有益な情報源となることを目指しています。

私は、博物館・美術館の魅力をより多くの人に伝えるために「Museum Studies JAPAN」を立ち上げました。博物館は単なる展示施設ではなく、文化や歴史を未来へつなぐ重要な役割を担っています。運営者として、ミュージアムがどのように進化し、より多くの人々に価値を提供できるのかを追求し続けています。

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