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ミュージアムショップの重要性—文化・経済・持続可能性の視点から考える
美術館や博物館を訪れる際、多くの人が最後に立ち寄るのがミュージアムショップです。しかし、その存在意義について深く考えたことはあるでしょうか?ミュージアムショップは単なる土産販売の場ではなく、博物館や美術館の使命を補完し、経済的な支えとな... -
ミュージアムの財務を読み解く!正味財産増減表の活用術
はじめに ミュージアムの運営において、財務管理は重要な課題の一つです。特に、財務諸表の中でも正味財産増減表(Statement of Changes in Net Assets)は、組織の財務的健全性や持続可能性を評価する上で欠かせない指標となります。 本記事では、ミュー... -
ミュージアムの財務分析完全ガイド!貸借対照表を読み解き、持続可能な運営戦略を立てる方法
はじめに:ミュージアムと財務分析の必要性 近年、文化施設としてのミュージアムは、教育機関としての役割だけでなく、観光資源や地域活性化の拠点としても注目を集めています。しかしその一方で、運営資金不足や寄付減少、収益構造の多角化の必要性など、... -
ミュージアム財務分析の重要性とは?学術研究が示す持続可能な経営戦略
はじめに ミュージアム(博物館・美術館)は、文化・教育的な役割を果たしながらも、安定的な経営を維持することが求められています。しかし、近年の財政的制約や経済変動の影響を受け、多くの施設が資金調達の多様化や収益性向上の課題に直面しています。... -
「また来たい!」を生み出すミュージアムのアンケート設計術
ミュージアム運営において、来館者の満足度向上とリピーターの増加は成功の鍵 となります。そのためには、来館者の声を的確に収集し、施設やサービスの改善につなげることが重要です。 アンケート調査には、定量調査(Quantitative Research) ... -
VTS(Visual Thinking Strategies)が医学部生の診察力向上につながる理由
はじめに 医学部生が診察力を向上させるためには、観察力、批判的思考力、コミュニケーション能力のすべてが不可欠です。これらの能力を鍛える方法として、近年Visual Thinking Strategies(VTS)が医学教育の分野で注目されています。VTSはもともと美術鑑... -
ミュージアムの経営環境を徹底分析!PESTフレームワークの活用法
なぜミュージアムにPEST分析が必要なのか? ミュージアム(博物館、美術館、科学館など)は、文化財の保護・展示、教育普及、地域振興など、社会的に重要な役割を担っています。しかし、近年では少子高齢化、デジタル技術の進歩、観光産業の変動、政府の文... -
なぜ富裕層はアートを集めるのか?—投資・社会的ステータス・文化的価値から考察
はじめに 近年、富裕層の間でアート収集がますます注目を集めています。アート市場は近年、急速に成長しており、特に富裕層の投資対象としての重要性が高まっています。Velthuis & Coslor (2012) は、アートが金融資産と異なる価格変動パターンを示し... -
【完全ガイド】ミュージアム経営の成功法則!SWOT分析で未来を切り拓く戦略とは?
ミュージアムの運営を成功させるには、自館の強みと弱みを把握し、外部環境の変化に対応することが不可欠です。 そのために有効なフレームワークが「SWOT分析」。本記事では、ミュージアム向けのSWOT分析の具体例と戦略の立て方を徹底解説します。 1. SWOT... -
ミュージアムの経営戦略の策定方法―海外事例をもとに解説
ミュージアムの役割と経営戦略の重要性 ミュージアムは文化資産の保存や教育活動を通じて、社会に多大な貢献を果たしています。例えば、大英博物館(イギリス)は膨大なコレクションを無料公開し、世界中の来館者に文化教育の機会を提供しています1。また... -
なぜ博物館に経営戦略が必要なのか ― 公共性と成果主義のはざまで
はじめに:文化施設に「経営」は必要か? 「博物館に経営戦略なんて必要なのか?」 この問いは、文化施設に関心のある多くの人々にとって、直感的で素朴な疑問かもしれません。博物館は、教育や文化の継承といった公共的使命を担う存在であり、営利企業の... -
ミュージアムのメンバーシップの加入者を増やす5つの方法
ミュージアムのメンバーシップ制度は、収益構造において重要な役割を果たしています。 例えば、英国の大英博物館では、メンバーシップ収入やスポンサー収入・寄付を集めるため、オーダーメイドの舞台裏ツアーや美術館のイベント利用など、さまざまな特典を... -
博物館の定義から経営を考える ― ICOM定義の変遷とその意味
「博物館とは何か」。この問いは一見すると学術的・抽象的に聞こえるかもしれませんが、実は博物館の運営や経営の根幹をなす非常に現実的な出発点でもあります。定義とは、単に言葉の意味を明らかにするための記述ではありません。それは、何を大切にし、... -
ミュージアムと企業のパートナーシップの事例3選
令和4(2022)年4月「博物館法の一部を改正する法律」が成立し、約70年ぶりとなる博物館法の単独改正が実現しました。その改正によりこれからの博物館の役割として、教育や文化の域を超えて、まちづくり、観光、福祉、国際交流といったさまざまな分野との... -
大英博物館でこどもお泊まり会
ミュージアムに子どもたちが楽しく過ごすためにはどのようなことができるのでしょうか。 こども家庭庁が日本にできて子どもが中心の社会を実現しようと政府をあげた取り組みが進み始めています。 国立科学博物館では「こどもファスト・トラック」といった... -
ロンドンはどのようにしてデザインミュージアムを作ったのか
日本において国立デザインミュージアムについてはすでに色々と検討されています。 2012年にデザイナーの三宅一生さんと美術史家の青柳正規が中心となって声を上げたことが国立デザインミュージアムをつくる機運の始まりとなりました。 現在も一般社団法人D... -
ヴィクトリア&アルバート美術館 とAdobeのパートナーシップ
先の記事にてユニクロの事例からミュージアムと企業のパートナーシップの新しい在り方について紹介しました。 ミュージアムにとってはやりたい事業に資金や広報で企業と協力ができて、企業側もミュージアムが持つコレクションのデザインの良さを商品に活か... -
ヴィジュアルシンキングストラテジーズを実践してリーダーシップをつける
先の記事にて医学部生の観察力を高めるためにヴィジュアルシンキングストラテジーズ(以下、VTS)を実践していることを紹介しました。 VTSを実践することは対話型鑑賞を通じて観察力を養うだけでなく、他の見方を対話を通じて知ることができるというメリッ... -
ミュージアムと企業のパートナーシップ
ミュージアムは来館者から得られる入館料だけでは全てを運営する資金を獲得することはできません。 そこで、多くのミュージアムでは公的資金を投入したり寄付金を得たりするなどあらゆる収入源を模索しています。 その収入源のうち大事なものの一つに企業... -
ミュージアムショップの新たな価値:文化を広める秘密基地
ミュージアムで展覧会を見た後には多くの人はミュージアムショップでの買い物を楽しみにしているんじゃないでしょうか。 ミュージアムショップでは展覧会に展示があった作品を上手く商品にしたものや最近では色々なメーカーとのコラボ商品など手に取るだけ... -
医学部のVTSワークショップで画像診断の質を上げる
先の記事にてなぜ医学部生向けのVisual Thinking Strategies(以下、VTS)のプログラムが始まったのかについて紹介しました。 ブレイバーマン氏は、「今日の医師は実際に患者を診察するのにほんの短時間しか費やさず、代わりに検査や数値に頼っている」と言... -
ミュージアムでスローアートを実践する
先の記事でミュージアムでマインドフルネス(瞑想)を実践しているケースをご紹介しました。 こちらの記事でもご紹介した通り、ミュージアムという場所は知的好奇心を満たすだけでなく、訪れた人の不安な気持ちを和らげたりするリラックス効果があるという... -
美術館と博物館の違いを考える(目的の違い編)
皆さん、美術館と博物館の違いはご存じでしょうか。 どちらの施設ともに展覧会を実施していることから訪れる方にとってはさほどの違いが感じられないかと思われます。 しいて違いを挙げるとすれば博物館が古いものを扱っていて、美術館が最近のものを扱っ... -
ミュージアムで過ごすことで人が感じる不安の軽減につながる話
ミュージアムで作品鑑賞をするということは素敵な作品に出会い知的好奇心を満たすだけでなく、私達の心の不安や血圧を下げて落ち着かせてくれる効果が確認されています。 この記事ではミュージアムで鑑賞することが体にどのようにプラスに働くことがあるの... -
Visual Thinking Strategiesで共感力を高められるのか
先の記事でVisual Thinking Strategies(以下、VTS)で医学部生の視覚リテラシーを向上させることができる事例を紹介しました。 今回は視覚リテラシーだけでなく共感力も育てることができる可能性についてお話したいと思います。 医療従事者における共感力... -
ヴィジュアルシンキングストラテジーズについて考える
先の記事にて医学部生が視覚スキルを向上させるためにヴィジュアル・シンキング・ストラテジーズ(以下、VTS)という方法を用いて対話型鑑賞を実践していることをご紹介しました。 この記事ではそのVTSについて具体的にどのようなものなのかについて紹介し... -
視覚トレーニングで医学生の視覚診断スキルを向上させる方法
先の記事にて絵画鑑賞トレーニングで医学生の視覚診断スキルが上がる可能性があることを紹介しました。 また、その絵画鑑賞をした後にグループになり話し合うことにより自分とは異なる視点の意見を聞くことにより、実際見ていた絵画がより多様な見え方がで... -
医学部生向けの鑑賞プログラムが作られたきっかけ
海外の医学部では医学生の教育にミュージアムの鑑賞を取り入れていることがあります。 その取り組みを始めたのはイエール大学のアーウィン・M・ブレイバーマン氏でした。 この記事では彼の取り組みが始まった経緯についてご紹介したいと思います。 医学部... -
医者がミュージアムに行くことを処方する時代
精神疾患やうつ病といった症状は現代社会において世界中で大きな問題となっています。 もし、このような症状を持つ患者がミュージアムに行くことで症状が緩和できるのであればミュージアムが持つ社会的役割を拡張することにつながるかもしれません。 今回... -
ミュージアムで瞑想体験をする
ミュージアムで開催されるプログラムに展示室で瞑想をする体験が欧米で増えてきています。この記事では実際にどのようなプログラムが実施されているのかをご紹介したいと思います。 ルービンミュージアムの事例 https://www.youtube.com/watch?v=Mckxsn1fE... -
空港に飛び出すミュージアム
オランダのスキポール空港ではアムステルダム国立博物館のコレクションを色々な角度で楽しむことができる用になっています。 まずスキポール空港のことを簡単に説明するとスキポール空港とはオランダの国際空港で一番大きいものになります。 つまり、オラ...